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Channel: OneDay-Lily★Diaries
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哀しみとと闘病の果てに思うこと

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私の頭の中は、突然1980年代にタイムスリップした。
iPadに好きな音楽を片っ端からダウンロードし、プレイリストに保存した。邦楽、洋楽ごちゃ混ぜだ。
ボーズのコードレスヘッドホンを耳に当てると、懐かしい曲が飛び込んできた。矢沢永吉、STYX、KISS、ジャクソン・ブラウン、
エアーサプライ、リンダ・ロンシュタット、ELO、エリック・カルメン、イーグルス、カーズ、ティナ・ターナー 、クィーン…etc 他にも当時よく聴いていた好きな曲を沢山ダウンロードした。
ボーズのコードレスヘッドホンは、重低音が効いていてさすがに音が良い。コードレスなので、着けたまま家中移動できる。
便利な時代になったものだ。私が20才の頃は、SONYのウォークマンが発売されそのコンパクトさに驚いた。
お猿さんがウォークマンを手に、まるで人間の様にイヤホンで聴いているCMが当時とても斬新で話題になった。
スキーに行く時は、いつもウォークマンを持って行った。その当時も、私は同じ様に「便利な時代になったものだ」と思った。

あれから30年、そこそこの人生を送り夫婦揃って元気な老後を迎えるはずだった。だが、現実は違った。私は今、病んでいる。
結婚して子供を産み人並みの生活を送ってきたが、ここへきてつまずいた。人生は本当に何があるか分からない。
大病する事など、他人事だと思っていた。自分は健康で、命に関わる病気には縁が無いものだと思っていた。何の根拠も無いのに、そんな自信がどこから湧いてきたのか不思議だ。今考えると、それが若さなのだと思った。

今の私はその自信もことごとく打ち砕かれ、自分が置かれている状況すら受け入れる事が出来ないでいる。「そんな筈はない、これは悪夢を見ているのだ」と、思いたいのだ。そして、いつか何事も無かったかの様に夢から醒めるのではないかと。
今の自分を受け入れる事が出来ない限り、前には進まない。一歩前進しても、また一歩下がる事の繰り返しだ。ずっとその場所に止どまっている。これほど、受け入れる事の難しさを痛感した事は無い。多分、受け入れた方が気が楽になるのではないかと思う。
このまま、いつまで自分に抗い続けるのだろうか…。今では、そう思いたければそれでも良いとさえ思う様になってきた。

同じ病気の人のブログを、沢山見てきた。もう見ないでおこうと思っても、また見てしまう。見ていい事は一つも無い。不安や悲しみ、理不尽さが一層募るばかりだ。それでも、その人達の事が気になるので毎日の様に見てしまう。悲しい「病人の性」だ。
自分も自身のブログで病気の事を公開しているが、最近更新していない。体調が悪くなり、暫く更新から遠退いたままになっている。体調が良くなったらまた更新しようと思っていたが、最近になって考えが変わって来た。結局、公開する以上ポジティブなきれい事ばかりを書く事になってしまう。本音を書けば愚痴になり、ネガティヴで重苦しい記事になってしまう。それに理由はもう一つある、以前勤めていた職場の同僚達が見るからだ。自分の詳細な近況を、簡単に覗き見されるのが嫌だと思った。そう、私は「ひねくれ者」なのだ。そんな事を次第に思う様になり、何の為のブログか分からなくなってきてしまった。それに、自分の「日記帳」を公開するのはおかしい様な気もする。体調も悪い事だし、このまま放ったらかしにしておこうかと考え中だ。

気晴らしになっていたブログが行き詰り、ネガティヴな事ばかり考える時間が増えた。私が病気になって、唯一得たものは自由な時間だ。しかし、時間がいくらあっても体調が悪く何も出来ないのは返って酷ではないか。そんな時、私を「癒しの世界」へ導いてくれたのがボーズのコードレスヘッドホンだった。ヘッドホンを耳に当てた瞬間から、周りの全てが遮断される。誰にも邪魔されない自分だけの世界が広がる。これこそ、本当の引き篭もりだと思った。私は勝手に「音楽療法」と名付け、これも治療の一つになるのではないかと思っている。何のエビデンスも無いが、少なくとも体には良い影響を及ぼす様な気がしている。そもそも原因不明の病気なのだから、何が功を奏すか分からない。そのお陰かどうかは分からないが、最近春の訪れと共に体調も徐々に良くなってきている。
しかし、安静にしていれば良くなる病気では無いところが難しい。ある程度動かないと筋力が落ちてしまうので、なるべくちょこまか家の中を動く様にはしている。この先の見えない暗がりから一刻も早く抜け出したいと思う気持ちとは裏腹に、日々体調が変化する。
いったい私は、いつまでこのトンネルの中に居なければならないのだろうか。TVをつければ、お花見の中継の映像が眼に飛び込んでくる。私にはどうでもいいことで、桜を眺める余裕も無い。

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